無名鬼日録

読書にまつわる話を中心に、時事的な話題や身辺雑記など。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

母の「おぼえがき」その3

母の「おぼえがき」(その三、昭和二十一年) 昭和二十一年一月一日 午前三時、お祝すませて床につく 連日の疲れでぐっすり八時迄寝ル、 赤飯、人蕁、ごぼう、ごまめ、じゃがいも、 小芋、えんどう豆、高野豆腐、かずのこ、こんにゃく 一日は殿辻の春本へ行…

母の「おぼえがき」その2

母の「おぼえがき」(その二、昭和十九〜二十年) 昭和十九年一月一日 鯛、えんどの甘煮、かづの子、じゃがいも、ごんぼ、 高野どうふ、れんこん、ちくわ、にんじん、ごまめ、 にしん、ぞうに(もち入)、赤飯 午後玉川町行、ぜんざい(とても甘い)浩一(げ…

母の「おぼえがき」その1

私の母は昭和二年十月二十六日大阪市住吉区(現・住之江区)長狭町に、理髪業を営む馬野政一・政江の長女として生まれた。その店舗付き住宅は阪堺電車の線路に面し、住吉大社の鳥居前に建ち並ぶ家並みの一画にあった。政江は二年後に長男浩一を産むと病没し、…

森田童子の死

森田童子が亡くなった。 二〇十八年四月二十四日、享年六十五歳。 彼女のベストワンは何かと問われれば、 私はやはり「ラスト・ワルツ」をあげる。 「ラスト・ワルツ」 美しき明日に ついても語れず ただあなたと しばし この時よ すべてが なつかしき この…